海外旅行や出張でインターネットを利用する際、現地の通信手段を確保することは非常に重要です。海外データローミングは、自分の契約している携帯電話会社のサービスをそのまま海外で利用できる便利な方法です。今回は、主要キャリアと格安SIMのサービス内容、料金、オプション申込の有無、対応エリアについて比較し、詳しく解説します。

海外データローミングとは？

データローミングは、契約している携帯電話会社の電波が届かない場所で、他の携帯電話会社の回線を利用して通信を行う機能です。主に日本で契約している携帯電話をそのまま海外でも使う際に利用されます。

各キャリアの海外データローミングサービス

NTTドコモ

ドコモは「世界そのままギガ」と「世界ギガし放題」の2つのサービスを提供しています。

• 世界そのままギガ: 国内契約のデータ通信量をそのまま海外で利用できるプランです。1時間200円、24時間980円で利用可能。70以上の国地域で割引が適用されます。
• 世界ギガし放題: データ無制限プランで、24.4MBまで1日1,980円、以降2,980円です。オプション申込は不要で、現地到着後にデータローミング設定をオンにするだけで利用できます。

au by KDDI

auは「世界データ定額」と「世界ダブル定額」の2つのサービスを提供しています。

• 世界データ定額: 国内契約のデータ通信量をそのまま海外で利用できるプランで、24時間490円から980円です。事前予約で割引が適用されます。
• 世界ダブル定額: データ無制限プランで、24.4MBまで1日1,980円、以降2,980円です。オプション申込は不要で、自動適用されます。

ソフトバンク

ソフトバンクは「アメリカ放題」「海外あんしん定額」「海外パケットし放題」の3つのサービスを提供しています。

• アメリカ放題: アメリカ国内でのデータ通信・通話・SMSが無料で無制限に利用できます。オプション申込不要で自動適用されます。
• 海外あんしん定額: エリアごとに異なる料金体系で、定額国Lの場合24時間3GBで980円、定額国Sの場合24時間1MBで1,980円です。
• 海外パケットし放題: データ無制限の二段階定額で、10MBまで1,980円、以降2,980円です。オプション申込は不要です。

楽天モバイル

楽天モバイルは、2GBまで無料で利用でき、以降1GBごとに500円で追加可能なシンプルなプランを提供しています。対応国地域は72です。

ahamo (アハモ)

ahamoは月間20GBまでのデータ通信が無料で利用できるプランを提供しています。ただし、利用開始から15日目以降は速度制限がかかります。

UQモバイル

UQモバイルは「世界データ定額」と「世界ダブル定額」を提供しています。料金や利用条件はauと共通です。

povo2.0

povo2.0はアプリ上で「海外データトッピング」を購入することで海外利用が可能です。プランは渡航先や期間、データ通信量によって細かく分かれています。

ワイモバイル

ワイモバイルは「海外あんしん定額」と「海外パケットし放題」の2サービスを提供しています。ソフトバンクとほぼ共通のサービス内容ですが、「アメリカ放題」は提供していません。

LINEMO

LINEMOもワイモバイル同様に「海外あんしん定額」と「海外パケットし放題」の2つを提供しています。ただし、新規契約の場合、課金開始から5か月目以降でないとローミングサービスを利用できない点に注意が必要です。

日本通信SIM

日本通信SIMは、国際ローミングを利用することで海外で通話・SMSが利用できます。ただし、データ通信は利用できません。

• 利用方法: マイページよりお申込後、電話アプリから番号をダイヤルし、音声ガイダンスに従って操作します。
• 料金: 月額利用料は0円ですが、通話料は別途必要です。通話料金の上限額は5万円です。
• 対応エリア: ドコモの国際ローミングの対応エリアに準じます。

海外データローミングのメリットとデメリット

メリット

• 便利さ: SIMカードの交換や新たな設定が不要で、現地に到着した瞬間からすぐにインターネットに接続できます。
• 安全性: 現地で新たなSIMカードを購入するリスクを避けられます。
• 継続的な通信: 日本の家族や友人、仕事関係者とスムーズに連絡が取れます。

デメリット

• 高額な料金: データ通信料が高額になる場合があり、特に大量のデータを使用すると予想外の高額請求が来ることがあります。
• 対応エリアの制限: キャリアによっては、提携している現地の通信事業者の数や対応エリアが限られていることがあります。
• 速度制限: 一定のデータ使用量を超えると速度制限がかかる場合があります。

利用の流れ

1. 事前設定: キャリアのウェブサイトやアプリで海外ローミングの設定を確認・有効にします。
2. プラン選択: 自分の旅行スタイルに合ったプランを選びます。
3. 現地での利用開始: データローミング設定をオンにして利用を開始します。

まとめ

海外データローミングは、便利で安心な方法ですが、コストが高くなることもあります。自分の利用スタイルや旅行先に応じて、最適なプランを選びましょう。事前の設定やプランの確認をしっかり行い、高額請求を避けるための対策も忘れずに実施してください。賢く利用して、快適な海外旅行をお楽しみください。